2026年3月20日金曜日

389 競売、強制執行までの記録リライト

 


先日開札の大津地裁の競売で、知り合いの不動産業者さんが素敵な戸建を落札されました。

その大先輩は「競売は慣れてるねん」とおっしゃっていたのですが、【25年ぶり!】で、 久しぶりの入札→落札だったそうです。

「短期賃貸借」とか「占有屋」とか、「地下げして自己競落」などなど、今の不動産屋さんが知らない、 時代錯誤のパワーワードがたくさん出てきます。

昔の不動産屋さんってメチャクチャしてますよね。

ちょっと楽しそうですが、表には出せない話のオンパレードで、あまり友達にはなりたくないです。。。


その方からのリクエストで、 2021年に私が担当して、【コンプライアンス完全遵守】で強制執行までやってみた記録をリライトさせて頂きます。




2021年4月13日入札

便利な倉庫の需要はいつの時代も絶えません。私たちのような宅建業にしても書類をたくさん保管するため倉庫が必要になります。

「宅建業者の帳簿の保存期間は 5年と定められているが 保存期間の始期は取引時ではなく各事業年度の末日に閉鎖し閉鎖後5年間である。
  また、宅建業者が自ら売主となる新築住宅の取引の帳簿の保存期間は10年間である。なお、犯罪収益移転防止法に基づく「確認記録」「取引記録」については7年間保存する義務がある。」


不動産流通推進センター 不動産相談

弊社でも、平成20年に犯罪収益防止法が施行された際には、2年分の書類する
スペースが必要になりたいへんでし大た。

この帳簿類は、電子保存でも良いのですが、紙面と電子保存を両方されている業者さんが多いようです。

弊社でも年々保管書類が増え倉庫がパンパンです。

そこで2021年4月に競売に出ていた草津市の大きめの倉庫に入札しました。



(入札のポイント)

保証金は売却基準価額の2割と高額になります。落札してから代金納付が出来ないと、この保証金が返ってきません。競売情報を眺めていると問題のある物件を落札してしまって代金納付せずに保証金を無駄にしているケースが散見されます。
(1月にも東京三鷹のジブリの森近くで
借地権無し建物が三度目の競売に
なり、また結構な金額で入札が。)


競売開始の公告から入札最終日まで4週間ほどあると思います。 三点セットをよく読み込んで念密な資金計画の上で競売に参加して下さい。





2021年4月20日落札

無事落札しました。
草津市で希少な土地481坪の大型倉庫だったので、すぐに3社から譲って欲しいと連絡がありました。


(落札後のポイント)

落札後の権利の譲渡や三為(いわゆる中間省略)はできません。また判決無しでの引渡命令は買受人しか行使できません。)



2021年5月11日売却許可決定

落札後、落札者に対する調査が行われて問題なければ売却許可決定がなされます。


(売却許可決定のポイント)

以前は開札の1週間後でしたが最近は落札者への調査が細かく20日ほどかかります。





2021年5月14日事件記録の取得
2021年5月14日関係者への連絡


売却許可決定後、 買受人(落札者)が
裁判所に出向いて請求すると「事件記録」という3点セットを少し詳しくしたような書類を受け取ることが出来ます。

ここには占有者の連絡先が記されている場合があるので残置物があって占有者の連絡先がわからないときには取得してみて下さい。


(事件記録のポイント)

占有者の連絡先がわかって交渉できるなら取得不要です。

古株の競売ばかりやっている不動産屋さんでも知らないような書類です。

今回は占有者に連絡がつかず怪しげな張り紙が玄関に貼られているような案件だったのですぐに取得しました。

幸いな事に関係者の連絡先が数件判明して助かりました。


(関係者への連絡のポイント)

占有者がわかっていれば私は落札日にさっさと占有者に落札の挨拶に行きます。

たいていの場合は占有者さんも心配しているので早めにどんな人が落札したか伝えた方が安心ではないかな、と思って実行しています。

一般的には今回のように売却許可が出てから関係者に接触することが多いです。




2021年5月21日代金納付期限書発送

売却許可決定公告から7日間、利害関係人は不服申し立てとして執行抗告できるものとされています。

この期間を過ぎると売却許可決定が「確定」し、落札者に代金納付期限書が発送されます。




(残代金納付のポイント)

ちなみに代金納付期限は2021年6月25日でした。売却許可の確定から代金納付までほぼ1ヶ月しかありません。

また平成10年から競売にもローンが使える(使いやすい)ようになりましたが、 もしローンを使う場合は司法書士に依頼して代金納付の3~5日前までに
抵当権を設定する金融機関の印鑑も押した申出書を提出する必要があります。

こうなると確定後の余裕は実質3週間ほどです。

自己居住用の住宅ローンなら大丈夫でしょうが、 本部審査が毎週1回しかないとか言っているような信用金庫に依頼する場合など、ただでさえ審査が遅い事業用の融資が間に合うのかどうか不安です。

弊社でも某銀行で、入札前からお願いして了解を得ていた融資が間に合わず
現金決済したことがあります。

弊社は競売では従前から「バックファイナンス(一旦現金決済して所有権移転後に抵当権設定して融資を受ける方法)」を利用しているので社長や経理担当は慣れた様子でしたが、私は一人で
ヒヤヒヤしました。

融資を利用される方は金融機関担当さんの内諾は一切信用せず、 入札前に事前承認を必ず得て売却許可決定を待たずに落札したらすぐに出来る範囲の融資手続きを進めて下さい。




2021年5月25日登記費用の計算

残代金納付期限書を受け取ると買受人(落札者)はその原本を市町村の固定資産税課に提出して(もちろん原本は返してもらいます)落札物件の「評価証明」を取得することが出来ます。 この評価証明で登記費用を計算し裁判所にFAXする必要があります。

(移転登記のポイント)
融資を受けない場合は、代金納付時に登録免許税分の収入印紙を一緒に納めることで裁判所が職権で所有権移転登記をしてくれます。




2021年6月3日代金納付
2021年6月3日引渡命令申立て


代金を納付すると、正式に所有者になります。所有者は、占有者に引渡命令を申し立てることが出来ます。

(引渡命令のポイント)

占有者がすぐに出て行くのであれば
引渡命令は不要です。競売の場合は判決不要で3~4日で引渡命令が裁判所から買受人と占有者に決定書が郵送されるのがメリットともいえます。

ちなみに引渡命令は代金納付から6ヶ月以内に提出が必要なので一応引渡命令を出しておくなら残代金納付と一緒に出すと楽です。


※まだまだダラダラと
 長くなりそうなので、
 続きは来週






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